逆噴射家族
「逆噴射家族」(1984 日 石井聰亙監督/小林よしのり原案)106分
ストレスで頭のおかしくなったノイローゼ一家が「このきちがいめ!」と互いにののしりながら殺し合いを始めるという、お茶の間ゲリラ戦を描いた作品。正直、あらすじから受けるような楽しさはなく、さわがしいだけでさほど面白くないというのが率直な感想である。しかしながらレオタード姿の工藤○貴に猿轡をかませて亀甲縛りにしたうえ胸を触ったり色きちがい呼ばわりしたりするという、真症の変態にしか思いつかない倒錯的なアイデアには感銘を受けました。あと、わたくしはタルコフスキーの炎上するボロ小屋からロジャー・コーマンのポオシリーズで毎回最後に焼け落ちる同じセットに至るまで、家屋が崩壊するシーンに目がないのですが、本作においては「ポルターガイスト」のげしゃげしゃっと自動的に折り畳まれる住宅を髣髴させるシーンがあり、家屋崩壊フェチ的にもなかなか凶悪でした。★