幸福の丘 1ねん1くみ 金子みゞず
丘のうへ少女がひとり
雛罌粟(ひなげし)の花を摘む
遠ざかる列車の影に背をむけて
見上げた蒼天のキヤタピラが
消ゑ入りそうな心をつぶす
行くのか
行つてしまふのか
渡しそびれた最後の手紙に
涙でにじむ
死ね*1の文字
こんなことしかできないからと
おまへが呉れた
ちん●す*2みたいなポヘムも
読まずに捨てたわラララ
行くがよひ
さるのやうにたぬきのやうに
リズミカルにケツ*3を振りながら!
至福のほゝえみを湛ゑつつ
まどろみよりめざめし少女は
鏡の奥に目撃せり
丘のうへにゆれる一対の
幸福なる首吊りにんぎやうを
【コメント】暗いほうへ暗いほうへ・・・。みゞずちゃんの将来が心配です(笑)。