ギミー・ヘブン
「ギミー・ヘブン」(2004 日 松浦徹監督)121分
製作者の意図はいざ知らず、全体的にコメディ色が強い作品。一般に謎解きサスペンスなど十中八九が茶番とはいえ、まさかと思うようなまぬけなシーンがそれとなくまぎれこんでいるのは意外と几帳面な美学なのかもしれません。いちばんウケたのは安藤政信が鳥肌実に逆切れして発砲するシーンと、最後の幼児の殴り描きのような三つの死体跡です。あと特筆すべきは不機嫌な少女を演じさせたら天才的とも言える宮崎あほいちゃん。いかんせん過去の出演作が凡作だらけで、とりわけ近年の「NANA」「純情きらり」でのアホ演技は目に余るものがありますが、この映画では陰気な真犯人をみごとに演じきっております。本作こそは「富江〜禁断の果実〜」「パコダテ人」に次ぐあほいちゃんの代表作と申せましょう。あと共感覚者の世界ってやっぱり薔薇がウンコに見えたりウンコがマリア様に見えたりするのかなーとか思った。★