Grand-Guignol K.K.K

The half of this site consists of gentleness. The other half of this site consists of lie. Sorry, this is all shit in the end. Here is MATERIAL EVIDENCE: (^ ^)ノヽξ

今日のポエム


サウンド・オブ・サイレンス 1ねん1くみ かとうちや

やあ暗闇わたくしの古い友達
また君と話しにきてしまった
なんとなれば幻覚は
寝ている間にわたくしの夢にそっとしのびこみ
ロシヤ人の種を植えていったから
闇のなかでひそやかに目覚め
いっせいに悲鳴をあげる
地獄のマトリョーシカ
そいつはわたくしの脳に居座って
いまもペチカに薪を焼べている

裸電球の下でわたくしはみた
夜道をうざいスピードで
追跡してくる何者かの影を
おまえはだれだとふりかえったとき
そいつは耳元で《高木ブー》とささやいて消えた
気がつけばわたくしは
雷様のパンツをにぎりしめたまま
夜明けまでひとり立ち尽くしていたのだ

《愚か者》
サルは真っ向からゆびを突きつけた
《おまえは何もわかっていない》
静寂は《雨の日の電車のなかのじょしこうせいのあしのにほひ》のように広がって
おまえの心をむしばんでいるではないか
隠し切れないいらだちが
おまえのちんぼうにまでかけのぼる
さあ、わたくしの手をとりたまえ!
サルがおもむろに手をさしのべる
ともに修行に勤しもうではないか!
サルの言葉が頭のなかでこだまするだけ

踊り続けるサルの姿をぼんやりと見ていた
ネオンの下では発狂したひとびとが
口々にお経を上げ
彼らの神に祈りをささげていた
ふいにネオンサインが警告を示す
預言者の言葉は
地下鉄の壁という壁にウンコで書かれている
《修行しろ修行しろ》
わたくしは尊師の声を聞きながら、狂うかな、と意識の片隅で思った
しかしそのとき頭のなかで何かがはじけ
わたくしは悟った
わたくしは狂ってなんかいない、これは――信仰なのだ