猫目小僧
「猫目小僧」(2005 日 井口昇監督/楳図かずお原作)104分
「京子さん・・・これ、パンでしょ。なんでパンぶつけるの。食べ物でしょ?なんでパンなの?ねえ?どうして?」
「くっそ〜」(蛇突フェイント)
「わーぁ、びっくりした」
きゃあぁーこわいー! というわけで、グロテスクにしてコミカル、なおかつ牧歌的というふざけた世界観がじつにあっぱれな快作。意図的に挿入されたシュールな台詞や大根演技もおもしろい。京子さん役の子の顔面も笑えた。石田未来たむ、かわいいけど別人みたいになってました。顔面の痣のコンプレックスのため心を閉ざす美少女・・・おのれの弱い部分を隠そうとするしぐさが萌える(笑)。「クルシメさん」の井口昇監督なので、異端者へのまなざしと心の成長といった重要な部分もきっちり押さえられていて好感がもてた。途中、少女の口腔内へのう●こともち●こともつかぬ肉玉の抽送を執拗に活写するあたりそうとう変態的ですが、低レベルな観客向けにエロティクな連想をねらいましたというよりもやむにやまれぬ衝動からこう表現せざるを得ませんでした、という誠実さが感じられていさぎよいですね。ラストも西部劇みたいでかっこいいです。★1/2