Love Letter
「Love Letter」(1995 日 岩井俊二監督)117分
「誰か死んだの?」
「パパ」
「どうも、ごしゅうしょうさまです」
失われた時を求めて 1ねん1くみ ともちゃん
死んだ恋人の面影を追い求めるヒロインという、岩井監督らしいいつものせつなモード。ワープロ専用機やポラロイドキャメラ、松だせいこなどなど、ひと昔前のアイテムが、耳を聾せんばかりのストリングスとともに、これでも食らえと異様な恥ずかしさで迫ってきます。コッパズカシイシーンのさなかに挿入される異様に美しい瞬間(たとえば酒井美紀が雪道をスニーカーで滑走するシーンとか)がさらに追い討ちをかけるという、全編羞恥プレイのような作品である。で、同じ名前のやつやら同じ顔のやつが交互に登場する構成なのだが、一人二役のナカヤマミポコ?が頻繁にカットバックされるので話は混乱をきわめる。もちろんともちゃんも混乱した。それにしてもヒロインがうざい。EGUI咳ばっかりしやがって! というかナカヤマミポコのわざとらしい演技が違和感ありあり、肝心なシーンを一人でぶち壊しているのは何かのギャグなんだろうか。マミポコが山に向かってイノキのものまねをしているシーンの意味がわかりません。でもさすがにラストは綺麗ですね。まさしくせつな系の変態・岩井監督の面目躍如、甘酸っぱいシーンを撮らせたら右に出るものがない感じです。ただ、このラストシーンですら、ナカヤマミポコがきっちり破壊しているのがすごい。謹んでナカヤマミポコの生霊を弔いたいと思う。★