卑猥 hiwai
「卑猥 hiwai」(2005 日 田尻裕司監督)64分
狂い咲くエロスの華 1ねん1くみ ひろひと
あまりにも暇でやることがない為ネットで日記をつけることにした也。今日から此処は朕の秘密の頁(ペイジ)となつた。秘密なので誰にも教えてやらぬ。さて本作だが、まずタイトルがいただけない。「ヒモのひろし」という立派な原題があるのに、よりによつてなぜこんなつまらぬタイトルに変えたのか。とてつけたやうな抽象的な題名が指示する内容はまつたく空疎で、作品の内実を表すどころかただの看板倒れになつてしまつてゐる。その昔テレビの深夜放送で「茂みの中の欲望」「雨に濡れた欲情」と云つた映画を珍子を硬くしつつ観たらちつともエロくなかつた、と云ふ忌まわしい記憶がよみがえつてきた。猥褻物は既に猥褻に非ず。自ら猥褻であることを公言する映画の猥褻度など高が知れてゐるではないか。ヒロインが非常にいやらしい犯されやすい格好をしてゐるが、同じ理由で朕の珍々は一粍も反応せぬ。最初から穢れてゐることが自明な淫乱ビッチがいくら喘いだところで朕は毫も感動しないのだ。朕が興味をそそられるのは唯一、純潔の喪失(ロスト・イノサンス)に他ならぬ。その果てにこそ猥褻を超えた凶暴なるエロスの華が咲くのだと朕は信ず。あ、そう。ξ