悪徳の栄え
「悪徳の栄え(LE VICE ET LA VERTU)」(1962 仏 ロジェ・ヴァディム監督/マルキ・ド・サド原作)107分 B/W
大あくび 1ねん1くみ ひろひと
獄中のサド侯爵が必死でかいたエロ小説をもとに、舞台をナチス統治下のフランスに置き換えて映画化したもの。またナチスかよ!というぐらい安直な設定のうえ、台詞ばかりでつまらんのう。実録映像に切り替わる瞬間が辛うじて凶悪だが、あとは退屈きわまる貧しい映像の垂れ流し。ロジェ・バディムの映画はこんなのばつかだが、ひよとして此奴は頭がよわいのであらうか。ジェス・フランコの「マルキ・ド・サドのジュスティーヌ」がよほどまともに思えてくる。一方ジュスティーヌ役のカトリーヌ・ドヌーヴを始め囚われの美女軍団がなかなか美しく、そこだけ嬉しかつた。妾にしてやつても良ひぞ。しかし彼の国の民は本当にこんな退屈な映画で満足してゐるのだらうか。まあ下々のものの幸せこそ朕の最大の願いゆえ、どんな映画であれ彼らの無聊が少しでも慰められるならば朕はそれで満足である(嘘)。ξ