ちんこ
「ちゃんこ」(2005 日 サトウトシキ監督)119分
「こないだはよくもうちの部員たちをいじめてくれたわね。みんな国を背負って日本に来てるのよ。それがわからないの?」
どすこい乙女塾、土俵際一本勝負 1ねん1くみ チャック・ウイルソン
(あらすじ)
さめた性格の女子大生ナカタ(須藤温子)は冴えない毎日を送っていたが、ひょんなことから廃部寸前の相撲部に入部することになる。相撲という目標を得たナカタは奮起し、ガイジン部隊を引きつれ、部の存続をかけた勝負に挑み土俵の花と散る。
(かんそう)
福山●治=悪霊に取りつかれている問題、時●風部屋におけるかわいがりすぎ問題、貴●花親方の怪しすぎる宗教スマイル問題など土俵外の話題の充実ぶりが目覚しい昨今の相撲界であるが、相撲の魅力はなんといってもハダカのデブとデブのぶつかり《愛》である。ハリテを受けたチチやケツの躍動感、四股るか四股られるかの緊張感、まわしがいつ外れるかのドキドキ感など、概ねセクシャルな意味合いにおいて海外のマニアからも熱い視線を注がれている。その中にあって本作は「まわしをしめた華奢な女子がごついガイジンに武者ぶりつく」という極めてマニアックな嗜好に訴えるものであり、数ある相撲映画(恋はハケヨイ!、シコふんじゃた!、ちゃんこ!)の中でもひときわ特異なまわしプレイを確立したと言えよう。しかしながらこの素人女子とガイジンによる異端集団の奮闘は、まわしの向こうに仄見えるエロスを超えて、スポーツ本来のさわやかさをわたくしどもに提示してくれもする。登場人物の行動原理が不明な点や特に劇的な展開がないのも逆にすがすがしく、なにより金銭にまみれきったプロスポーツ界にこそ彼らのさわやかさを見習ってほしいものだと思う。なにかと誤解を受けがちな角界だが、本作によって相撲の魅力が世間に正しく伝えられ、ちゃんこやまわしや髷の習慣がより多くの人々に浸透することを願ってやまない。★