Grand-Guignol K.K.K

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今日のポエム


月に吠ゑる 1ねん1くみ さかがみじろう

わたくしが《彼》に遭遇したのは晩秋のとある山の中でした
落ち葉を踏みしめて歩いておりましたところ
がけっぷちの行き止まりに辿り着きました
断崖の端にはこんな看板が立っておりました
「きけんきわまりないです。下に降りないでください。」
わたくしは看板を踏み倒し、崖を伝い降りました
崖の下には一面にお花畑がひろがっておりました
そのときどこからともなく
あの童謡めいた懐かしい歌声が聴こえてきたのでございます
「いっぱい轢けて〜いっぱい逆らえる〜」
歌声の方をみるとピンク色のうさぎがしゃがみこんでいました
首からNマークのバッヂをぶらさげた瞑目うさぎは
わたくしの姿に気がつくと、なにかを隠すようなしぐさをし
あたふたと逃げ出します
うさぎの足元には臼(うす)と杵(きね)と
搗(つ)きかけのモチが転がっていました
「まちたまえ!」わたくしはうさぎを制止した。「ここで何をしているんだ!」
「よけいなお世話やんけ!」うさぎは嘴を尖らせて言い返します
「やんけって、君。野蛮人みたいな言葉遣いはよしたまえ!」
「じぶんこそおかしいやんけ! 裸やで、じぶん!? すっぱだかや。
頭おかしいやんけ!」
そう叫ぶとうさぎは落ちていた杵を拾い上げ
狂ったようなスピードでモチを搗きはじめました
そして搗きたて熱々のモチをちぎってわたくしに投げてきました
わたくしはあくまで冷静にモチを地面にはたきおとし
うさぎに宣告します
「うさぎのついたモチなんか食えるか」
するとうさぎはショックを受けたような顔をし
ついで真っ赤になって怒りはじめました
「You・・・you, sneaky little fxxking JAPPP!!!」
うさぎは英語でなにごとか頻りにわめきますが
わたくしにはさっぱり理解できませんでした
わたくしが最後に見たのは
わたくしを搗き殺そうと
スローモーションで杵をふりあげるうさぎの姿でした
脳天に衝撃が走り
視界が暗転したところで
目が覚めました
わたくしの枕元には膨大な領収書の山が残されていました