悪魔の手毬唄
「悪魔の手毬唄」(1977 日 市川崑監督/横溝正史げんさく)144分
うちの裏の前栽に雀が三羽とまって、一羽の雀が言う事にゃ言う事にゃ
おらが在所の陣屋の殿様、狩好き酒好き女好き、わけても好きなが女でござる
原ひさ子の手毬唄 1ねん1くみ たちひろし
ジャケット詐欺だな、これ。この異常にかっこいいジャケを見れば、悪魔が手毬をつきまくったり邪悪な日本人形が暴れて人が死にまくったりする「サスペリア2」みたいな映画かと誰でも思うだろう。角川金田一シリーズ第一弾の「犬神家の一族」はギャグ映画としてなかなかのものだったが、これはちょっと運びがしんきくさすぎる。例によってどうでもいい人間関係の把握に膨大な労力を要求される(そして徒労に終わる)のは娯楽の少ない時代の産物なんだろうが、話をこみいらせすぎているうえほとんどが会話上で説明されるので誰が誰やらさっぱりわからん。おまけにこの長尺。顔半分が爛れた女の人とか謎のこじきババアとかせっかくお望みの材料がそろっているのに、最初のヒトゴロシが起きるまで45分もかかるとかマジありえん。犯人とか動機とかどうでもいいんで、コンちゃんらしい殺害シーンをサクサク見せてほしいところである。しかし原ひさ子はやっぱりかわいいな。まじ萌える。原ひち子の手毬唄を聴くためだけに借りても損はないとわたくしが保証いたします(マニア限定)。★