地獄へ誘う鐘
「A Bell From Hell/La Campana del Infierno」(1973 SPA Directed by Claudio Guerin)Region1 英語字幕なし
(あらすじ)
キチガイ病院から出てきたジョンは、財産目当てで自分を病院に閉じ込めた叔母とその三人娘への復讐を誓う。食肉処理工場で屠殺・解体方法を学んだジョンはさっそく叔母と三匹の姉妹を吊るすことにしましたが・・・
(かんそう)
おなじみ孤独なサディスティック・パーバートが活躍するお話。牛たんの屠殺・解体シーンがマジもんで、殺される牛の悲鳴が延々、、、おげげー。主人公が奏でるペケペッペー♪という感じの狂ったオルガンの旋律がなかなか楽しいし、時おり挿入される童謡(有名なフランス民謡「Frere Jacques/Are You Sleeping?」)のイヤガラセのように繰り返される子供の輪唱コーラスがマジで凶悪。無邪気で稚拙な歌声の気が違いそうな反復がそのうち麻痺してきて快感に変わるのが不思議。というわけでせっかく童謡とか人形とかトラウマティックな雰囲気がいい感じなのに、映画としてはやや退屈で見せ場に欠ける。最後もなんだかよくわかんない。ロバート・マーティンの「ルチオ・フルチの新ゾンゲリア」とだいたい同じ話のような気がするが、あっちの方がひねくれていておもしろかった。でもサキの『開いた窓』やらポオの『黒猫』をパクったくだりはまあ面白かったかな。あと姉ちゃんがおっさんどもに執拗にセクハラされるシーンはやたらエロかった。ところでこの映画、ネット上にも情報が少なくて、マニアにしか知られてなさそう。「地獄へ誘う鐘」という邦題?は数少ないそのページから拝借したが、そこの情報を信用するならば撮影最終日に監督が教会から墜落死したといういわくつきの作品だそうな。★