Grand-Guignol K.K.K

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日本語は恥ずかしい

うーむ、この国賊め。いきなり喧嘩腰で申し訳ないが真剣にそう思う。
昔「王様」という人がロックの名曲を直訳で歌うという、一種のパロディのようなことをやっていた。しかも演奏はほぼ忠実にコピーしているので、オリジナルとの歌詞の落差が浮きぼりになるという仕組み。たとえばこんな感じである。

「Smoke on the Water」
We all came out to Montreux
On the lake Geneva shoreline
To make records with a mobile
We didn't have much time
Frank Zappa and the Mothers
Were at the best place around
But some stupid with a flare gun
Burned the place to the ground
Smoke on the water, fire in the sky
Smoke on the water
「湖上の煙」
俺たちゃモントレーに行った
ジュネーブ湖畔さ
レコード作りに行った
とってもきついスケジュール
フランク・ザッパマザーズ
偶然ライブをやっていた
ところがどっかのアホウが銃を撃って
あたりは火の海さ
湖上の煙 火の粉パチパチ
湖上の煙
ほとんど酔っぱらいの繰りごとである。こんなアホな内容だったのかと歌詞の意味を知ってびっくりするというのもあるが、原曲のリズムを保ちつつ直訳風に訳出することによって、間抜け度がさらにアップしている。しかるに、原語で聴く分にはまったく問題ない。なぜか。その理由は日本語が我々にとって近すぎるためではなかろうか。つまり言葉の<意味>が皮膚感覚として入りやすい。普段聞き流している分にはいいが、目の前に意味を突きつけられるとものすごく恥ずかしいわけである。邦楽でたまに「日本語」のアイデンティティを妙に強調した歌詞があるが、うわーっと叫んで逃げ出したくなることがある。別に馬鹿にしているわけではなく、単純に歌詞が恥ずかしいからである。「湖上の煙」みたいに間抜けか意味不明だったらまだ救いようがあるが、真摯な歌詞であればあるほど、いたたまれなくなる。というわけで、そこの邦楽好きのアナタ。試みに、お気に入りのアーティストのバラードなんかの歌詞を夜中に独りで朗読してみましょう。背筋も凍る寒さに襲われるかもよ。