最終兵器彼女
「最終兵器彼女(The Last Love Song on This Little Planet)」(2006 日 須賀大観監督/高橋しん原作)120分
「なあちとせ・・・。どうなってんだ?この国って。今、けっこうヤバイことになってんのか?」
日本白痴化計画 1ねん1くみ ひかるいっぺい
「大いなる幻影」「デビルマン」「キャシャーン」は極私的世界から終末世界を覗いてみせた真摯な映画であったが、本作はこれらとは真逆の構造を持つ。世界が滅亡しかけているのに延々いちゃつき続ける危機感ゼロの登場人物たち。要するに終末世界という万能の舞台装置でシリアスさを装いつつ、その実体は極私的ドラマに収束したお為ごかしの茶番劇でしかない。クライマックスも砂漠に埋もれた片翼のオブジェを見せるシーンで止めときゃいいのに、怒濤の感情失禁とウンコモノローグを抑制なく垂れ流す。ぺらぺらのCGがうそ臭さに拍車をかける。エンドクレジットはまるで大風呂敷をひろげて純愛という黄金の糞を売りつけ、低レベルな客層の金を包んで逃げ帰るテキヤの後ろ姿のようだった。純愛を騙る少年少女のオママゴトの中に、日本映画が抱えるどうしようもない貧しさと欺瞞性が浮かび上がる。金儲けのエクスキューズに純愛というキーワードを利用し、底の浅い「ひげき」を下痢便のように垂れ流す日本映画。アホを日本中に伝播させんとする悪意すら垣間見えます。要するにアホに向けて作られた至高のアホ映画。該当者は今すぐビデオ屋へ走るべし!(笑)ξξξ